Tera Prospectorは、光と電波の境界の周波数であるテラヘルツ(THz)の電磁波を用いた時系列変換パルス分光法の新しい赤外領域の分光装置です。

電磁波パルスの電場強度の時間波形を計測することで、電場強度と共に位相情報も同時に計測します。 リファレンスとサンプルでの時間波形の違いを解析することにより、サンプルの複素誘電率(複素屈折率)の周波数依存性を得ることができます。
低価格でコンパクトなボディーに制御系、光学系を凝縮しております。

※ TeraProspectorは[ Prospector = 試掘者]という意味を込めて名付けられました。
テラヘルツの新境地開拓にご使用ください。

主な特徴

  • レーザーの外部入力が可能なシステム構成で運用やコストに有利。
  • 広い試料室空間を活かした多様な測定(透過/反射/マッピング等)に対応。
  • 一連の測定手順の組換えや測定の自動化に対応したソフトを搭載。
  • 計測用PCとの接続が簡略化され、容易に設置が可能。

性能・仕様

測定方式THz-TDS (Time-Domain Spectroscopy)
計測信号電場強度の時間波形
出力データ透過/反射スペクトル(オプション)、複素屈折率、複素誘電率(解析プログラム使用)
試料室光学配置透過光学系配置
付属光学系(オプション)により、反射測定、ATR 測定など汎用測定ができます。
クライオスタットを用いた温度可変計測も可能です。
サンプル室容積232(W)×482(D)×281(H) mm、約31L
測定帯域200 GHz ~ 4 THz 以上(カットオフ周波数)
周波数分解6 GHz 以下
ダイナミックレンジ40 dB 以上(パワースペクトル:最大値)
信号対雑音比2500 : 1 以上(時間波形)
フェムト秒パルスレーザオプション(外部からの導入可能)
中心波長 780 ~ 810 nm付近、パルス幅 120 fs以下、強度 0.5 nJ/pulse以上、繰り返し 40 MHz
試料形態固体、液体(液体セルを使用)
制御用PCWindows OS(バージョン10以上)の動作条件を満たすコンピュータ
Tera Prospectorとの接続に有線LAN、およびUSBが各1ポート以上必要です。
ソフトウェア測定用ソフトウェア、解析用ソフトウェア
外形寸法/重量720(W)×660(D)×438(H) mm、約65 kg (※配線、突起等は含みません)

動作環境

電源AC100V(50/60 Hz) 10A
温度25℃±2℃(25℃±1℃を推奨)
湿度60%RH以下(30%RH以下を推奨)
乾燥空気乾燥空気は、10~20 NL/min(露点-60℃)
但し、湿度の影響をどこまで減らすかにより流量はユーザー様にて調整願います。
乾燥空気発生器は、オプションにてご用意しております。
その他使用環境のクリーン度は、一般的な事務所レベルで問題はありませんが、精密機器であるためより粉塵の少ない環境が望まれます。
振動に関しましては、一般的な事務所レベル(体に感じない程度)であれば問題ありません。

オプション

透過試料自動搬送
ステージ
透過測定用の試料ステージです。
本装置(TeraProspector)に組み込むことにより、複数の試料の分光測光を自動で測定することが可能です。
反射試料自動搬送
ステージ
反射測定用の試料ステージです。
本装置(TeraProspector)に組み込むことにより、複数の試料の分光測光を自動で測定することが可能です。
レーザ光オートアライメント (工場オプション) テラヘルツ時間波形のピーク強度が最大になるようにレーザー光路を調整することができます。
また、レーザー光路を調整するミラーを信号計測用プログラムからリモートで制御することができます。
液体セル、ガスセル、
クライオスタット
(工場オプション)
液体試料の透過スペクトル、ガスの透過測定、低温度域での透過測定を可能にする装置オプションです。
乾燥空気発生器本装置(TeraProspector)に供給する乾燥空気を発生することができます。

TeraProspectorは、日邦プレシジョン(株)の登録商標です。